諸外国はこの状況を見放しつつある

以下BBCTwitterより(時間はUTC 日本時間は+9)

1645: A spokeswoman for EU Energy Commissioner Guenther Oettinger has clarified his earlier remarks that "further catastrophic events" were expected. "He just wanted to share his concern and that he was really touched by all the images of people and the victims," said Marlene Holzner. "In this sense, he said that according to we have seen in the media, it seems that in the nuclear power plants at the moment we do not have technical control."

1701: France is arranging for extra planes to take their nationals home from Japan on Thursday. Julian Ellmann, spokesman for the embassy in Tokyo, says the advice for French citizens in the capital is "to go the south of Japan, to Kyoto, for example, and for those who want to, come back to France".

1738: The US is advising its citizens living within 80km (50 miles) of Fukushima to evacuate or stay indoors.

1743: The Swiss foreign ministry said it would lay on charter flights if necessary to bring Swiss nationals home.

参考:EU energy chief says Japan reactor "out of control"

When asked, his spokeswoman said his prediction of a catastrophe in the hours ahead was not based on any specific privileged information.

これについて質問されると、スポークスマンは「数時間以内に大惨事が起こるという発言は、何か特別な情報を元にしているわけではありません」と答えた。

東京電力はよくやっている

3号機から煙が出ている最中に言うのもどうかと思いますが、「東京電力はよくやっている」と、そういえば誰も言っていない(少なくとも私は聞いていない)ので、ここでひっそりとですが言います。

東京電力はよくやっている


例えばカリフォルニアにある2つの原発は、その付近ではM6.5までの地震しか発生しないという想定で、M7.5までしか耐えられるように設計されていないことが発表されました。M9クラスの地震が環太平洋地域で発生している今日では、カリフォルニアも例外ではありません。このように今回の地震を受けて、世界中の原子力発電所で大幅な耐震設計の見直しが開始されています。

世界の原発にとって、今回の災害は設計の限界を超えるものです。そしてそれに対して、女川原発や第二原発は安全に停止されましたし、第一原発も、重篤な被害を出さず、なんとか停止へ向けて進んでいます。非常用のディーゼルが動かない、燃料が無い、水素爆発する、震度5クラスの余震が頻発し放射能レベルが高い中海水注水作業をしているわけです。しかも直後は大津波警報の中での作業でした。

4号機の使用済み燃料プールにヘリから水を入れようしたとたんの出来事ですが、がんばって3号機もなんとかお願いします。今回の一連の不測の事態のすべてが、結果はどうあれ、将来何十年にも亘って世界中で検証/参考にされるような大仕事。がんばれ、原発作業員!

象の消滅

db4o2011-03-13

「燃料棒が水面から露出した可能性がある」

という事実を発表されて、一体どれだけの人が正しい判断をできるものなのかとふと疑問に思った。もちろん報道にはこう付け加えられる。

「安全だと判断しています」

しかしいつの頃からか、私たちはそれをたいして信じてはいない。

発表の後、早速テレビの解説員が、問題点について語り、私たちはごく浅い知識と混乱を手に入れる。より知ろうと思って他の番組を見れば、さらなる混乱に陥るだけときている。


私は家族に付き添って、ここ20年近くよく病院へ顔を出している。昔の先生は威厳や信頼感が全てだった。

「大丈夫です。私たちに任せてください。」

そう言われて、とにかく安心したものだった。

ところが数年前から、おそらく2007年頃から、先生たちの態度が変わったのを覚えている。その頃から先生達は説明を始めた。現在判明している事実、そしてそれに伴って発生しうるリスク。

例えば私の母などは、それによって混乱し、不安になるだけだった。

もちろん、正しく判断していけば、先生達の説明は一貫していたし、そのおかげで家族が不安に陥っても、これこれこうだと家族の中で解決することができた。

ただそれでも、一体どれだけの人が正しい判断をできるものか、この時も同じような疑問を持った。


原子力問題についても、病気のことについても、ウェブ上で様々な情報が手に入るようになっている。しかしほとんど場合、事実を判断するだけの十分な知識を持ち合わせていないし、信頼できる意見を説明してくれる友人もいるわけではない。

マスメディア離れが顕著な昨今、関係者は専門家による報道の信頼性を訴える。しかしマスメディアがあらゆる発表にかみつくように、我々も報道を信頼してはいない。

自分で判断すること、そして信頼に足る専門家とつながりを持つ事。象の消滅した今日に必要なのはそうしたことなのかもしれない。

本の値段は印刷代

Almost every form of publishing has been organized as if the medium was what they were selling, and the content was irrelevant. Book publishers, for example, set prices based on the cost of producing and distributing books.

Post-Medium Publishing ~ Paul Graham

そんな馬鹿な。本はコンテンツを買っているわけで、紙を買っているんじゃない。

ただ確かに本の値段はページ数、カラーページ、紙質、大きさ、そういうもので決まっているような気もする。

The reason they make less money now is that people don't need as much paper.

まったくその通りかもしれない。

だとすると、「いつになったらオンラインコンテンツはオフラインコンテンツのコストをカバーできるようになるのか」という質問の答えは、「カバーできない」ということになる。

このようにオンラインコンテンツの幻想から脱して、いち早くオンラインコンテンツ自体をビジネス化して成功した企業にDemand Mediaがある。

The Answer Factory: Demand Media and the Fast, Disposable, and Profitable as Hell Media Model

The company’s ambitions are so enormous as to be almost surreal: to predict any question anyone might ask and generate an answer that will show up at the top of Google’s search results.

イメージとしてはオンデマンド自動Yahoo知恵袋。オンラインに人が探しにくるのはKnoledge。中でもQ&A。例えば庭に猫がふんをするんだけどどうしたらいい、というような。そういった検索=質問を自動的に解析して、答えとなる記事の内容をSEOを考慮して自動生成。さらにこうした答えの記事やビデオがどれぐらいの期間見られるかを推測する。そうした蓄えられたKnowledge(Q&A)のコンテンツをオンデマンドで配信する。

今や毎月の配信数は英語Wikipediaで追加される記事の4倍にもなっているという。

オピニオンベース、セカンドナレッジ

オピニオンとは ~Wikipediaより~

An opinion is a subjective statement or thought about an issue or topic, and is the result of emotion or interpretation of facts.

In casual use, the term opinion may refer to unsubstantiated information, in contrast to knowledge and fact-based beliefs.


ナレッジベースというのはよくあるが、オピニオンベースというのは聞いた事がない。同じように、セカンドオピニオンというのはよく聞くが、セカンドナレッジというのは存在していないようである。

このことから、

  • ナレッジとは蓄積、検索可能だが、オピニオンは蓄積できないか、検索できない
  • オピニオンにはセカンド、またはサードやそれ以上、が存在するが、ナレッジは唯一無二である

と推測されるがそういうものだろうか。

何をくだらないことを言っているんだと思うかもしれないが、OpinionとKnowledgeの違いを自分の頭で考えてみようという、確かにくだらない試みである。

まず一点目であるが、なぜナレッジは蓄積されるのに、オピニオンは蓄積されないのか。両方とも文字で表現された文章であることは間違いない以上、蓄積自体は可能である。それではその蓄積されたデータベースの実用性から来るのであろうか。「オピニオンは検索しても意味が無い」のであれば、オピニオンベースが存在しない理由が説明できる。

しかし二点目で、オピニオンは1つ以上存在することが知られている。それならば、それらを検索できたら便利じゃないかと思う。

オピニオンは冒頭の定義にあるように、主観的な主張と、それらを強化するargumentsからなる。argumentsはニュースや数字などの客観的なものかもしれないし、純粋に感覚的で主観的なものかもしれない。しかし面白いのは、それらのargumentから導きだされる主張が主観的で、ひとそれぞれだということだ。

さらにこうして考えた場合、オピニオンとは何をMake It Happenさせたいのかという宣言だとも言える。客観的な事実などに基づく推測や推論よりも、それは行動を伴ったエネルギーのようなものだ。

日本人が持つ、なるようにしかならないあきらめ、のようなhaplessという無力感や悟りの境地ではなく、そこでもがき暴れてなんとかしようとする意思のことだ。

だとすると、そもそもオピニオンとはエネルギーであり、Writingsとして保存可能なものではなく、もちろん検索可能なものでもないと言う事ができる。

まとめ

  • オピニオンとは行動を伴ったエネルギーのこと
  • それがJustfiedTrueBelief(正当化され、正しく、信じられている)された時、その道は切り開かれた道路のように、ただ通過されるだけのナレッジとなる

批評するウェブから参加するウェブへ

先日Googleアルゴリズムの変更を発表した。「質の高い」ページの順位を上げるというものだ。

「質の高い」ページというのはどういうものか。Googleによると、オリジナルや掘り下げたコンテンツのことらしい。

それでは自分にとって「質の高い」コンテンツとは何か。

情報エントロピーの考えに基づくと、エントロピーの低い情報だと言う事ができる。つまりまだまだそこからアイデアを引き出せる情報のことだ。

またはもっと日々の生活に基づいて考えてみよう。今ややる気のある人間は一つや二つのプロジェクトを運営しているものだ。NPOを設立してボランティアをしているかもしれないし、私のように音を探求して道具を作ったり演奏しているかもしれないし、子供の体験教室を始めたかもしれない。

大体にしてそういう活動はArtと同じで、お金が儲かったり有名になったりするものではなく、止むに止まざる内燃機関のパワーで動いているもので、エネルギーの無駄といったら甚だしい。しかしその分得るものも大きいから、続けられるのだ。

あらゆるこうした活動やこうした活動から出てきた主張を、私は「質の高い」コンテンツだと定義したい。

そしてそうした一つ一つの点が出会える仕組み。それこそ私が探し求めている次のブラウジング体験であり、これまでのような傍観者として批評するウェブから、何かを実現するために行動する、参加するウェブへと変化を促すものである。

反射神経的なスナップショット

東京都現代美術館の近くにあるTAP Gallery。佐久間元さんの写真が公開中。反射神経的なスナップショットで切り取られた世界に吸い込まれました。

下の写真は佐久間さんのホームページより。