Kickstarterのイノベーション

災害や不況、テロやデモなど何かと大変な2011年でしたが、そういう中で成長したものって何だったんでしょうか。

絆以外で。

これまでやってきたやり方が通用しなくなったり、災害によってダメージを受けると、再建が必要です。東北がそうだったと思うし、個人的には人生を再建してますし、そういう大変な時代になると再建の方法が成長します。

ニューヨークに拠点を持つKickstarterは、何かを再建したい、新しいプロジェクトを立ち上げたいという夢を手助けしてくれる会社ですが、なんと今日発表された2011年の統計によると、そこで産声を上げたプロジェクトやプロジェクトに集まった金額が、2010年の約3倍にもなったというじゃないですか!
*データの詳細はブログとコメントを参考

それではなぜKickstarterがそれほど支持されているのか、勝手にまとめてみたいと思います。

1. 何をしたいのかが分かりやすい

それぞれのプロジェクトのオーナーはプロジェクトの説明やプレゼンを用意しているのですが、なんと2011年は80%ものプロジェクトがビデオによる説明つきだったというんです。

ちなみに写真は2011年に最も速く目標を達成したプロジェクトで、何と24時間以内に目標の$75,000はおろか$165,910に達し、今日現在で30日以上を残して$500,000を超えてしまっています。

2. 何ができるかが分かりやすい(参加や支援、購入できるオプションがいっぱいある)

例えばこのプロジェクトは、もっともぎりぎりで目標を達成したそうなのですが、$1から$5,000まで以下のようなオプションを用意しています。

$1 - Facebookであなたのことをみんなに知らせる&もし実際に会う時には、抱きしめてありがとうと言います
$10 - Facebookで知らせるのに加えて、“I heart MyM”ステッカーを送ります
$25 - オフィシャルウェブサイトでサポーターとして名前を載せ、"Mosquita y Mari, Fuck the Rest! www.mosquitaymari.com."というメッセージ入りのコーヒーホルダーに、映画のオリジナルデジタル楽譜をプレゼント
$50 - 上記に加え、Behind the Scenes(たぶんビデオ)とサントラセレクション
$100 - 上記に加え、Aurora(監督)のこれまでの作品とこの映画のサイン入り台本
$250 - 上記に加え(たぶん)、サイン入りスペシャルポスター
$1000 - 監督がゲスト参加する上映権(たぶん非商用)
$2500 - 映画セットにまる一日ご招待 監督やクルーと話したり映画に飛び入り参加もあるかも
$5000 - "Associate Producer"として映画のクレジットに登場


Kickstarterイノベーションは、ただ訴えたりお願いするだけだった寄付に近い資金調達を、具体的に価値のあるものと交換できるようにしたことじゃないでしょうか。できるようにしたとは言っても、実際に考えているのはプロジェクトメンバーたちなのですが、消費できる形にするという考え方、そこにとんでもないブレークスルーがあったと思います。