色を使った検索

昨日の午後、「色情報で文書の類似性を求める方法」なる発明として、特許を申請しました。
これは情報検索というものを次のステップへ上げる一歩になると期待しています。

これによって、検索結果のそれぞれが含むトピックを色で理解しながら、ある一色を追いかけるように検索ができるようになると考えています。


私が考える情報検索のビジョンは、対話による検索です。だからといって直ちにC3POを思い浮かべないでください。恐らく現在の人工知能は今のままではこれ以上進歩しないし、パームOSの創業者が研究している新しいアプローチもまだまだ時間はかかりそうです。

私が現実的なステップとして考えるのは、システムは解釈できるトピックをユーザーに教え、ユーザーは自分が欲しい方向を伝える仕組みです。
例えば日本人だったら、「酔っ払い」と聞かれたら「大臣?」と今なら答えると思いますが、そのようにまずトピックをすり合わせるのが対話の第一歩だと思うのです。

発想としては、脳科学者の茂木さんが言う、「思い出すこと」と「思いつくこと」の仕組みです。


今週先行技術調査と言って、類似の発明がすでに登録されていないかという調査を依頼します。順調に行けば来月中に結果を受け取って、通常2年以上かかる審査を3ヶ月でやってもらえる、早期審査請求をして登録を目指します。


デモを作って来月はいろいろ周ります。
というか、花粉症の時期に海外逃亡する理由ができた、という話でした。

先行技術調査終了

依頼していた先行技術調査の報告書が届いてました。

”高度な発明”であるためには参考の技術水準が存在するわけですが、その資料が示されただけで、一致するものや類似するものは無いという報告でした!

私の発明はある種の飛躍があるので、かぶりはしないと思ったのですが、どこまで本当に使えるのか、これから形にしなければなりません。

通常3週間かかる先行技術調査ですが、私の場合は請求項といって特許の範囲を限定するものが1つしかなかったし、私なりに相当調査して私の居場所をピンポイントで指定したつもりでしたので、実質3日でした。

調査に要した時間も書いてあって、735時間、ん!?、30日分にもなっちゃってる、いや、735分でした。12時間。そんなもんでしょうね。

ちなみにこのような先行技術調査は、お金が無い中小企業のために国が援助してくれます(中小企業等特許先行技術調査支援事業)。今年度は終了してしまっているので、興味のある人は来年度どうぞ。


それから、私は弁理士を使わず自分でやりました。法律を勉強したことがある人、またはヘブ語に慣れ親しんでいる人であれば、こちらの特許・実用新案審査基準を参考にしつつ、特許電子図書館でいろいろ眺めてみれば、概略はどのように特許制度が運用されているのかがつかめます。

他人の特許は、登録されたもの、または拒絶されて不服申し立てをしているものを中心に見ることをおすすめします。

思い出す、思いつく、学ぶ

色を使った検索が実現する検索の対話は、それだけではまだ不足です。実はこの発想にたどり着いたのは、違う技術を研究している時でした。

オントロジーによるウェブ知の立体化」とでも呼びましょうか、トピックを理解する脳みそみたいな役割をするものが必要です。対話の質はこの脳みそで変わってくるわけです。

すでにこの分野では数多くの特許や論文が発表されていますし、ウィキペディアなどすぐに使えるコンテンツも存在しますので、この部分のソリューションはいろんなものが可能性として考えられます。

現在の一極集中的なウェブ知の活用では広がりが限定的なため、このような十人十色のオントロジーを話し相手に、その裏側で検索エンジンやデータベースなどを活用するようにできないかと考えているわけです。

人間だって、野球の話をする相手と、ジャズの話をする相手、カレーについて話をする相手は違います。だから面白いし広がりがあると思います。

これを密かに、検索の自由化、Liberation Of Searchと呼んでいます。

思い出す、思いつく、学ぶ。人間の無限の知的好奇心を満足させる検索ツールへ。