楽譜と天気図

楽譜を見ても音が浮かんでこない。
天気図を見ても上空の様子が浮かんでこない。

どちらもイメージの問題なんです。

音をイメージしないで吹いているから演奏がいつまでたっても安定しない。
上空をイメージしないで飛んでいるからいつまでたっても天候に翻弄される。

これがひどいのは、できる人ができるようになる、ということで、逆に言うとできない人はできないということになり、随分乱暴な話です。

イメージがあるから実際やってみた時と比較ができて、差を埋める研究と努力ができます。「そうじゃないんだ、こうなんだ!」と。

でも最初は経験も無く、イメージなんてありゃしません。そういう時はウソでもいいから根拠を持って何かイメージします。そうすれば実際と比較ができるようになり、その根拠をどんどん強化していくことができます。

よくある間違いは、イメージが単なる絵に描いた餅で、まるで現実の結果のフィードバックを生かせないということです。こういう場合は、五感を総動員することを思い出しましょう。意識なんて20年前のモデムぐらいしか情報を処理できませんから、いつも頭で考えている人は圧倒的な情報不足に陥っているんです。その代わりに受容体の塊である人間の全身で感じましょう。ありとあらゆる情報がものすごい勢いで入ってくるのが分かるはずです。すっかり錆び付いてしまった人もそうイメージしましょう。

そういう意味での感性。全身で感じてイメージに近づいていく能力。大脳新皮質(意識)の檻から抜け出すにはそういうトレーニングが必要です。