狙う

バシっと頭の中で鳴っている音を狙ってその音を出すにはどうしたらいいか、ということを素人なりに考えているのですが、私のトランペットの場合、上ずる原因に2点思い当たりました。

1 アンブシュアが緩い
2 上唇が力む

1については、いくら腹から一点を狙って空気を流しても、その圧力でポイントがずれてしまいます。分かりやすい話、空気の量が大きく(音量を上げる)なったり、圧力が増える(音を高く)と、ポイントが前へ押し出されてピッチが上ずってしまうというわけです。

これを解消するには、アンブシュアも一点にポイントが定まるよう固定すること。ただし、力まないように固定すること。

2については、ゆっくり下の音から確認していって気づいたのですが、ミ(E4)ぐらいから既に上唇が力みだす、正確に言うと唇の両端が上へ動き出すのに気づきました。つまり上唇を緊張させること(ポイントを上へずらすこと)で音程をコントロールしていたわけです。これのよくないことは、各音程のピッチが上がって行くだけでなく、演奏可能な範囲が高い方へ狭まってしまいます。これでは高い音をきれいに制御できようがありません。

解決は簡単で(やるのは難しいですが)、口角が上がらないよう力まないように気をつけて、ポイントや空気の圧力で音程をコントロールできるように練習することです。

狙うということについていうと、本当に久木田さんは素晴らしいですね。展開するところでは高め、落ち着かせるところでは真ん中、コントロールの巧みなピッチャーみたいです。後半で音量が上がっても音程は上がっていないことも要注目です。彼女ぐらいの力量があれば、低い音、10セントから20セントばかり低い音を大胆に使ったら、クリフォードブラウンのような表現力になるのではないでしょうか。

The Rose(愛は花・君はその種子) ~ 久木田薫