アーバン特訓アプリ for iPad

半年前、スペインから帰ってきてからもやもやしていた「金管奏者のための基礎技術特訓ソフト」ですが、iPadで実現してみようかと思います。

まず、何と言っても戯音鏡があります。子供が走り回っていようが鳥が暴れていようが、きちんと私のラッパの音を認識できるのをこれまで確認してきました。練習開始時にはいつもG4が高いというように。

いろいろ考えていたんですが、やはりiPadの登場が大きく、楽譜に最適なんじゃないかというのは疑いようのないことに思えます。

ただし、音声認識はまだみんなを驚かせるようなところへは来ていません。残念ながら、音=周波数ではなく、人間が音源に焦点を合わせるようなことは、波を複数の波(周波数)で表現するフーリエ変換に依存している以上、できないんじゃないかと思います。例えば、ピアノでドを弾いて、同時にドと発声した場合、現在の音声認識は音源が複数あるなど思いもよりません。もちろん、いろいろ限定すればできますが、現実に使えなかったら役に立ちませんから。

それから、紙の代用というアイデアは危険です。紙は紙であり、紙をどんなに真似ても紙には勝てません。手触り、ぬくもり、重み。そういったものは決してデジタルなもので置き換える事はできません。本で言うと、やっぱり大好きな本は紙で持っていたいものです。

じゃ、楽譜はどうなんだ、というと、もう少し改良の余地があると思うのです。初めてアーバンを開いた時、正直すぐ閉じました。そして1年以上眠らせました。理解不能だからです。それからいよいよやろうと、やらないとこれ以上向上しないと思った時、トニーのサイトを見つけ、実際の演奏を聴いて初めて合点したのです。

音楽には、リズム、メロディー、ハーモニーがあります。先ほど説明したように、音声認識の限界と、そもそも管楽器は複数の音を同時に出せませんから、ハーモニーは省略します。しかし楽譜で言う横方向のリズムとメロディーは紙以上の情報を含められると思うんです。例えば音階の15番がイメージできなかったら、模範演奏を聴く。それだけでどんなに便利な事でしょう。さらに、シンコペーションやグルッペット、タンギングなどのところでは、きちんとリズムが刻めているかを演奏した音から判断することができます。吹けた気でも聞いてもらうと大体どっかおかしいものですから。

アーバン金管教本グルッペットNo. 26

(こちらは原本の番号に準じています)

まずは確実に動くところからやってみましょう。