減衰した音の音程

ピアノで音程をチェックしていたら、ある程度減衰すると、そこから高くなる傾向があった。例えばC3をたたくと、しばらく音が鳴るが、C3+(ちょと高め)からC3#までいって消え行く。

一体これが私の音程検出に問題があるのか、マイクの特性か調べていたのだ。

私の音程検出はautocorrelationというもので、Wiener–Khinchin theoremを活用して算出している。見直したおかげで少し込み入った実装がすっきりしたが、結局ここには問題が見当たらなかった。

ラッパだと、息の支えが足りなくても多すぎても音程がうわずる。ひょっとして、ピアノにも何かそういう特性があるんじゃないかと調べたら、ビンゴ。こちらの調律の説明に答えを見つけた。

またピアノは鋼鉄の弦を1本あたり平均80kの強い張力で張っています。
これにより音の終わりの音程が上昇する傾向があり、これをインハーモニーシティといいます。
なぜ、このような現象が起こるのかというと、弦の屈折箇所2点に近い部分が弦中心部より早く振動減衰するからです。


ちなみに今のところ安定して検出できるのはF2からC7。できればラッパ以外のために低音域を広げたいが、マイク特性などを考えると、iPhone/iPod Touchではかなり下限に近いかもしれない。