うまい1ポンドステーキの作り方

私の場合、きっかけはブエノスアイレスで食べたBife de chorizo。それ以来赤身の1ポンドステーキにはまっている。ちなみに1ポンドは450グラム。もしあなたがどこかで食べた1ポンドステーキを忘れられず、ここにたどり着いたならあなたはラッキーだ。

まず、どうやって牧草飼育の健全な牛肉を調達するかだが、日本では残念ながらアルゼンチンの牛肉は輸入が許可されていない。詳しくは「家畜伝染病予防法施行規則第43条の表」を参照。

というわけで、私がたどり着いたのは、牧草飼育オージービーフのキューブロール。ちなみにこちらにお世話になっています。

材料

牛肉1ポンド プラスアルファ
岩塩
こしょう(あらびき)
にんにく
赤ワイン

1人前1500円ぐらいでしょうか。牛肉は、できるだけ脂肪が無く、5センチぐらいの厚さのもの。岩塩は一粒一粒手に取れるぐらい粗く細かくしたもの。こしょうとにんにくはお好みで。赤ワインは、味のしっかりしたものを選びましょう。チリ産でステーキ料理に向いているものであれば、だいたい1本1000円ちょっとで手に入ります。

下ごしらえ

牛肉は、常温に近くなるように冷蔵庫から取り出しておきます。

牛肉の下ごしらえのポイントは脂肪のカットです。キューブロールから切り出した肉の場合、肉の周囲と内側に脂肪があります。脂肪は熱を通しにくいので、脂肪の内側や、脂肪で囲まれた部分はレアになってしまいます。脂肪の味と質についても和牛とは大きく異なるので、基本全て取り除くことをお勧めします。

包丁は肉用の包丁を使いましょう。まず周囲の脂肪をそぎとります。脂肪と赤身の間はすっと剥がれますので、そこに包丁を当てると簡単です。次に内側ですが、大体全体を2対1に分けるように、脂肪が断層のように走っています。ここも同様に赤身と脂肪をはがします。

この時点で、周囲からそいだ脂肪、3分の2相当のきれいな赤身、3分の1相当の脂肪を含んだ赤身に分かれます。材料のところで牛肉を1ポンドプラスアルファとしたのはこのためです。

まず、周囲からそいだ脂肪は牛脂として肉を焼く油にします。きれいな赤身は1ポンドステーキの主役です。脂肪を含んだ赤身部分は、難しい部分です。ここは、脂肪の断層部分、赤身とそれを取り囲む外周部分になりますが、このうち外周部分には脂肪が幾重にも重なった断層のように走っていますし、赤身の部分にも分断する脂肪の断層が走っているかもしれません。この部分は脂肪をお好みで試してもらってもいいかもしれませんが、断層で切り離す作業を繰り返すと、最終的には、赤身のブロックがいくつかと、脂肪になります。焼き時間のことを考えて、どの赤身も同じ厚さになるよう気をつけましょう。

次に味付けです。赤身をならべ、それらの表面に岩塩、こしょうをまぶせます。量は結構たっぷりですがお好みで加減してください。

焼く

あとは焼くだけです。一気にいきます。

鉄板は最高に熱くしておきます。牛脂とにんにくのスライスをのせます。

油が広がったら、表面を下にして赤身をのせていきます。

牛肉の周囲から肉汁が染み出してきたら、ひっくり返す頃合です。このタイミングだとレア。裏面(表面を下にして焼いているので裏面が上になっている)にも肉汁が染み出してきたぐらいがウェルダン、中間がミディアムというような目安です。

お好みでひっくり返したら、ワインをかけます。これもお好みで。

側面に肉汁がたっぷり染み出してきますので、これがレアの頃合です。お好みの焼き加減で調節してください。

陶板

私は鉄板ではなく陶板を使っています。具体的には、iga-monoのやきやきさんを使っています。

マテ茶

赤身のステーキは脂肪がほとんどないのでもたれたりしません。ただ南米でよく飲まれているマテ茶を食後に飲むと快適です。大量の肉の消化を助けてくれるのかもしれません。