エコプログラミング Eco Programming

IT機器の消費電力、2025年に半減・経産省と200社が協議会を来年1月発足させるというニュースを見かけた。最近のガソリン高を受けてトヨタが主要車種で燃費改善に取り組んでいるというニュースを先日見かけたが、このトレンドはコンピューターでも例外ではなく、さらに加速するんじゃないかと。

既にコンピューターでも主流になっているのはマルチコア化だ。昨年来ほとんどの主要PCに搭載されるようになってきたデュアルコアCPUは、これまでのクロック周波数(GHzとかMHzとか)を大きくさせよう(電力消費は気にせず)というトレンドから、消費電力を抑えたうえで性能を向上させようというトレンドへ変化したことを意味している。インテルのサイトを調べてみると、サステナブルコンピューティングというビジョンに基づいて、「電力効率に優れたパフォーマンス」を追求しているようだ。

一方iPod nanoの登場で一般化してきたフラッシュメモリは、ハードディスクに比べた場合約4分の1程度*1に消費電力が抑えられるので、バッテリーの持ちもよくなり、エコなストレージだと言える。

このように見てくると、PCハードウェアはエコな方向に向かって動き出しているが、その上で動くソフトウェアは、一般的に、まだ”エコ”っていうことを考えていないんじゃないかと思える。何かその、「エコプログラミング」みたいなトレンド。

これまでは、ムーアの法則と名づけられたトレンド、CPUはどんどん性能(クロック周波数)が上がるという事実を前提に、Javaや各種ミドルウェアを使った抽象化が行われてきた。開発初期は遅くて使えなくても、3年も経てば問題なくなるという楽観論ですな。今年発表された2つのケータイ用プラットフォーム、JavaFXGoogle Androidも、この発想上の延長線上にあるんじゃないかと思ってます。

しかしこれからは、消費電力を意識した、エコプログラミングが必要になるんじゃないかと・・・。これは日本が得意な組込み開発で必要とされるスキルなわけで、標準化だ、抽象化だ、という欧米式の発想に、エコプラだ、と立ち向かっていけば、我々アジア人は結構強いと思う。

*1:サムソンのSSD東芝のHDDの主流製品を比較