小説家

「自己とは何か(あるいはおいしい牡蠣フライの食べ方)」の中で、村上春樹さんはこう言っています。

小説家とは何か、と質問されたとき、僕はだいたいいつもこう答えることにしている。「小説家とは、多くを観察し、わずかしか判断を下さないことを生業とするものです」と。

さらにその上で、

良き物語を作るために小説家がなすべきことは、ごく簡単に言ってしまえば、結論を用意することではなく、仮説をただ丹念に積み重ねていくことだ。

と説明しています。

何かを伝える時、その内容が問われています。ただストレートに表現しても、科学的な根拠を並べてみても、古きよき親父の言葉を借りても、伝わる事が難しくなっています。

読者が判断できるように仮説が積み重ねられていく。こういう風に情報が整理されることが、今求められているように思う。