スウィングジャーナル&ADLIBのダブル休刊について

db4o2010-05-20

 60年以上の歴史を持つジャズの専門月刊誌「SwingJournal(スイングジャーナル)」が6月発売の7月号をもって休刊することになった。発行元のスイングジャーナル社は、20日発売の6月号で休刊を発表する。

 同誌は1947年6月に創刊。多くのジャズファンに愛されてきた。同社によると、70〜80年代には約30万部を発行していたが、最近は部数が低迷。CDの売り上げが激減した影響で、レコード会社からの広告出稿も減っていたという。姉妹誌の音楽雑誌「ADLIB(アドリブ)」も4月発売の5月号で休刊したばかりだった。

休刊:ジャズ専門誌「スイングジャーナル」 部数低迷で


夜ベッドの中で開いたiPhoneYahoo!ニュースのページで「スイングジャーナル休刊」を見かけたのは、もう三日も前のことだ。

スウィングジャーナルが創刊された1947年というのは一体どういう年だったのだろうと年表(http://ja.wikipedia.org/wiki/1947年)を開いてみると、こんな文字が並んでいる。

1月18日 - ビートたけし、映画監督、コメディアン
1月20日 - 学校給食開始
1月24日 - GHQ: 不急品の製造を禁止
2月5日 - 「立春に卵が立つ」と話題になる(東京気象台でも実験に成功)
2月18日 - 東京で22歳の女性が野犬に食い殺される
3月11日 - GHQ: ドル換算率を15円から50円に引上げ
3月15日 - 東京都が35区制から22区制に移行(8月に23区制)
3月22日 - 日本の国鳥をキジに決定
4月1日 - 学校教育法施行(六三三学制発足)
4月7日 - 労働基準法公布(施行9月1日)
5月3日 - 日本国憲法施行
5月25日 - 紀伊國屋書店(新宿)完成
5月26日 - 阿蘇山が爆発
6月27日 - 夏目漱石の遺族が「漱石全集」など28種の商標登録を出願し問題化
7月3日 - GHQ: 財閥解体の一環として三井物産三菱商事の解体を要求
8月14日 - 浅間山大爆発(登山者20名焼死)
9月15日 - 台風で関東地方大水害、1910年以来初めて利根川が決壊(死者行方不明2千名、家屋全壊流失6千戸)
9月17日 - 利根川水域大洪水に米軍の救助艇が出動しパラシュートで食料投下、東京都内にも濁流が襲う
9月19日 - GHQ: 政府と暗黒街の結託を警告
10月4日 - 日本占領の英国軍が引揚げを発表
10月11日 - 山口良忠判事が配給食糧による生活を守り栄養失調で死亡
12月1日 - 100万円宝くじ発売(即日完売)

もしも雑誌の基本コンセプトにこういう時代が反映されているのだとすると、確かにもうそれは現代で受け入れられないものなのかもしれない。

今や都内ならどこへ入ってもジャズが流れている時代にあって、ジャズの低迷は結構深刻に見える。現代においてジャズはBGMであって、さあ聞くぞと勇んで聞くものではなくなってしまったのかもしれない。それに、ジャズ風のエッセンスはロックでもポップスでも取り入れられているので、ジャズ自体が最早特別な何かでは無くなってしまっている。

私がジャズを好きなのは、そこに”いい音”を見つける確率が高いからだ。それはクラシックのように統制された音でなく、ポップスやロックのような飾りもなく、良くも悪くも個性をさらけ出した音に出会えるからだ。そういう意味では、松田聖子の「Sweet Memories」だって、坂本九の「見上げてごらん夜の星を」だっていいのだ。


ちなみに、1947年の平均寿命は、男性が50歳で女性が53歳。一方2008年では男性が79歳で女性が86歳。

一つ提案ですが、ジャズは聴くんじゃなくて、やったらどうでしょう。先の長い人生ですから、そんなに急いだっていつか考える事になりますって。どう暇をつぶすか。長い人生とどう付き合うか。

管楽器に弦楽器。もちろんピアノだって。娘さんに買ったホコリをかぶったピアノ。開けてみたら?

約束しますよ。死ぬまで楽しめるって。だって、ジャズのミュージシャン達がそうじゃない。