寂しさの源泉
「寂しい」って思えるようになったのはつい最近のこと。なんというか、”この素晴らしき世界”の中でサッチモが歌う、
Saying How do you do? They're really saying I Love You.
のフレーズに隠されている、そういう感じ。
たぶん、動物として、本能が自然を欲しがっているんじゃないのかなあ。それともどこかに帰りたがっているのかなあ。
そういう感覚が、芸術として表現されるように思う。つまり、都市と自然を循環させる手段として。
それで、向こうから戻ってくると、"They're really saying I Love You"みたいな感じになれるんだと思う。
そんなものを極端に確かめたくて、地球の裏側のパタゴニアで、衛星携帯とテントにトランペット、それだけでぽつんと生活してから帰ってきたりする。はっきりとは分からないけれども、どうもそうじゃないかと。昨年末のフィリピンの山奥に続き、次はスペインのクロマニョン人が見つかった地域へ行ってみようかなと思っている。まるで人類の祖先の旅を遡っているみたいだ。
そういう寂しさの中で生まれる音。それを確かめたい。