戯音鏡 ver1.2 リリース
「イメージの解像度を上げれば自然と技量も向上する」
というようなコンセプトでver 1.2をリリースしました。
例えばトランペットのマイルスデイビス。
チェロのStarker(キー不明)。
上下に動くオレンジのターゲットを見てもらうと、水平の中心線から離れて(正確なピッチでない)演奏しまくっているのがよく分かります。上下で+-50セントなので、その変動幅の大きさに驚くと思います。また、ここぞと言う時に決める音の安定感(止まったように見える)も大きく異なります。
つまり、演奏可能なピッチを大きく使って表現を発散させ、それでいて要所では正確で安定した音をくさびのように打ち込んで収束させています。
これを見ると、正確なピッチの練習というのが、いかに彼らのような演奏と異なるかが分かると思います。ただし、イメージには正確でなければなりません。これは変動させる時もくさびを打ち込むときもです。そういう発想から、このイメージの解像度を向上させるオレンジのターゲットを導入しました。
これを使って、普段練習している音階練習をしてみましょう。それらは+-0セントというのをイメージしていますよね(平均律に対してではなく、イメージしている音律に対して)。ところがどうでしょう?
または、少し低め、とか、クライマックスで高め、のピッチは制御できますか?
これまでは気にしていなかったような微妙なピッチの差を明瞭にして理解するようにすると、潜在的な自分のフォーム上の問題だったり、そもそもマイルスばっかり聴いているからG4のイメージが高くなってしまったり、または楽器の特性が見つかったり、いろんなことが見えてきます。
中には現在の技量や楽器の特性の問題で、制御できない音の範囲があるのも見つかるはずですが、言ってみれば人間と同じ、楽器にも個性があるわけですから、それを尊重してうまくやっていく方法を見つけなくてはなりません。
こうして、自分の技量や楽器の特性を理解すれば、自然と音楽の表現も向上していくのではないでしょうか。
何にもまして、イメージの解像度を上げて、それが演奏できる喜び、さらにはそれに一緒に感動してくれる人がいたら、これに勝る喜びはないでしょうね。