シンプルでデカイ国
サンフランシスコは、西を大西洋、北から東側をサンフランシスコ湾に囲まれた、北に突き出た岬の中にある。カリフォルニアと言えば一年中快晴に恵まれるようなイメージがあるが、大西洋の寒流の影響で、西風が吹くと冷たい風と霧に見舞われるのがサンフランシスコだ。特にサンフランシスコの北側からバークリーにかけては、むしろ霧ばかりだと言ってもよい。
サンフランシスコの北部は急な丘になっていて、有名なランバートストリートやケーブルカーが見られる。まっすぐに登っていく坂道は壮観だ。
サンフランシスコから北へは有名なゴールデンブリッジ、東へはベイブリッジ(写真)を使って行くことができる。
そのベイブリッジの付け根のところから北へ2キロほどのところ、サンフランシスコを南北に分断するマーケットストリートの東端に、Ferry Buildingがある。このFerry Buildingは、1898年に建設され、2度にわたるサンフランシスコ大地震を生き延びた、幸運な建物だ。できるだけ当時の状態を残しながら2004年に改装されてからは、グルメなレストランが多く集まる、オフィス街の高級食堂となっている。
Ferry Buildingから南へ、海沿いに下っていく。巨大なコンクリートの塊でできたベイブリッジの橋脚をくぐり、西の方へカーブしていく。サンフランシスコの中でも最も高級だと言われるこの辺りだが、通りには怪しい人がいて声をかけてくる。彼らは、ダフ屋だ。
というのも、しばらく行くと見えてくるのが、サンフランシスコジャイアンツの本拠地、AT&Tパーク。アメリカでも最高の球場だと言う人が多い、素晴らしい球場だ。とりわけ、湾に面したライト側スタンドを超えるホームランは、Splash Hitと呼ばれ、バリーボンズがホームラン記録を出した年のニュースでおなじみだ。
この球場に入ると、とにかくにおうのがガーリック。そう、この球場の名物はたっぷりガーリックを使ったガーリックポテトフライ。みなさん食ってるものをまき散らすので、宴のあとはかもめが掃除にやってくる。
気候がそこに住む人々の性格を作り上げるのかもしれない。突き抜ける青空と単純な生態系。シンプルでデカイ国、アメリカを味わうならドライブと野球にかぎる。