流れをつかまえるポイント

db4o2007-07-01

ラッパを吹くときに、腹式呼吸が出来てくると、空気の流れを舌で捕まえるポイントってのがあるのに気づきます。リップスラーをするときに、舌を移動させる場所のことです。

ちなみに私はマイルスデイビスのような音色を目指していて、乾いたパッパラ鳴る音ではなく、中音域が太い湿った音が出したいわけですが、どうも”鳴る”場合の音がそのパッパラだったんで、最近は一からロングトーンを集中的に研究していました。

いくつかあった課題は、

  • 全体的に音が高い
  • C''ぐらいから音に苦しさが出る
  • C''ぐらいに上がると、その後低音がきれいに出にくくなる
  • 吹いているうちに上唇がマウスピースから逃げる
  • E''ぐらいからタンギングができない

といった感じ。

まず、上唇からすっかり力が抜けるように、口の端が下に下がるような感覚を維持するように修正。そうすると、流れを捕まえるポイントが、ぐっと下がってのどのほうになる。このポイントだと、ごくわずかな変化で音色を変化させることができる。

これらの変化は非常に大きい。上唇がすっかりリラックスできているので、全体的に少し高めだった音が安定し、ごくわずかな変化で音を変えられるので高音から低音まで音が出しやすくなった。ただし、これは腹式呼吸がしっかりできていないとダメ!息にたよるとまたポイントが前に移動するので、舌の移動が大きくなり、上唇を張って音色を調整してしまうことにつながる。

なんとなく・・・だが、ごくわずかなのど付近の舌の角度調整でコントロールできるというのは、飛行機の翼の迎角を変化させて操舵するのに似ている気がする。高音へ行くほど舌に角度を付けていくわけだけども、これによって舌の上を流れる空気の速度は上がる。大きく動かすと流れが剥れて音が出なくなってしまう。

ちょと数学的な根拠は忘れてしまっているが、こう考えれば、ポイントがぐっと後ろなので空気の流れがより安定して音が遠くに飛び、中音域が豊かになり、力まずに高音を出していけるようになるのではないだろうか。


あ、それと、ケリーの樹脂製マウスピース。抵抗があるので汗かいても唇からずり抜けにくいです。ポイントちゃんと捕らえないと鳴らないし、じっくり音を研究するにはもってこいです。