マイルスの凄まじい空気圧

db4o2006-11-07

相も変わらずマイルスデイビスの64年のライブアルバム、My Funny Valentineを聞いて、トランペット練習のモチベーションをキープしているんだけど、なんだか最近、マイルスの凄まじい空気圧を感じるようになってきた。マイルスの体内の空気の圧力のことだけど、聞こえてくる音のメリハリが尋常じゃないんだよな、あれ。それは呼吸法というか、その空気圧が凄いんだろうな。きっとマンガだったら、ラッパだけ飛んでいくよ。

そう思って、ここは一つ呼吸法とやらについて調べてみることにしました。
管楽器演奏の呼吸に関する考察」という、管楽器だけでなく、ヨガやスポーツなど様々な呼吸法を10年に亘って研究されたという方がいろんな方法を比較して紹介してくれています。例えば複式呼吸の目的に触れている部分にこんな説明があります。「実際には腹に空気が入るわけではないので、横隔膜を下降させることによって、腹腔内部に圧力を加える。そして十分な「腹圧」が確保されると、体幹部つまり胴体は力学的に安定した構造となります。その安定した体で行なう運動(ここでは演奏)は、質の高いものになるというわけです。」へえー!そういうことだったんだーっと納得です。それから「まま呼息の発見」へと展開されていくのですが、なんとも目から鱗の説明ではないでしょうか。

またこの中で、単に空気をどう出すか、ということしか論じられないのはどうなんだろうとあります。面白い例として、能というのは一切表情を変えずに感情表現をするそうなのですが、それは呼吸法から脳や不随筋をコントロールし、それが雰囲気のコントロールにまで繋がっているようです!生でマイルスの音を聞いたことは無いけれど、スピーカーからでさえ伝わる、というか一気に引き込まれるあの雰囲気。確かに空気の出し入れ以上のものがあるんだろうなあ。