トランペットを吹くイメージ
トランペットを30で始めて2年半経つのだが、ようやくイメージに近い音が出るようになってっきた。そこで、ここら辺でひとつまとめておこうと思う。
まず、あれができないから、というような全ての言い訳は置いてからラッパを持つ。音楽は理屈ではない。この約束さえ守ればいい。あとは自分がイメージする音楽に没頭しよう。
私のイメージは非常にクリアだ。「クリフォードブラウン ウィズ ストリングス」(写真参照)のトランペット。1955年、50年以上前の録音である。いい音楽はいい。最近この手の音楽が聞けないので、だったら自分で吹くさ、それがトランペットを始めた動機だった。
そして、表へ出よう。室内はだめだ。音楽のスケールが小さくなる。
ブラウニーの音をイメージする。まるで大海原や大平原を流れる春風のようだ。風は気圧の高いところから低いところへ流れ出す。そのイメージを再現しよう。
これまでどうしても団扇のような風しか起こらず、まるで老人が縁側で夕涼みをして団扇をあおぐような、なんとも情けない音しか出なかった。気張ったところでしょせん団扇じゃ、どうしようもない。
「千の風になって」を歌った秋山さんのイメージが近い。ここではあえて下手な説明を避ける。流れる風を作る。まずはそのイメージだ。
あとは、その流れる風に音を乗せる。音は唇で作るものではない。舌だけでもだめだ。
流れる風がトンネルを通過する。そんなイメージだ。風の強さと乗せたい音によってどんなトンネルがいいかは変わる。
まずは風が流れるようにする。そして音をのせ、トンネルから出てくる音に耳を澄ます。
乗せたいと思った音がトンネルから出てこないかもしれない。風が流れていないかもしれない。トンネルがおかしいかもしれない。そもそもイメージしている音のピッチがずれているかもしれない。
そうしたことを順に確認できるトレーニングを、日々の練習に組み込もう。
最後に、天気がいいのに人が寄ってこなければ、その日の音はよくない証だ。
こんな感じもいい。"Someone To Watch Over Me"
これはちょっと笑ってしまったが、途中出てくるラッパがChris Bottiだと思われる。