なぜ新しい戦略はいつも行き詰まるのか?

db4o2007-08-21

ふらっと立ち寄った本屋で、なぜ新しい戦略はいつも行き詰まるのか?という笑えないタイトルの本を発見!「正しい戦略」を正しく実行しよう、という発想そのものに疑問を投げかけているもので、あ、そうそう、と昔を思い出した。

もう10年近く前だろうか、ドラッカーの本を読みあさっている頃、来るべき知識を中心とした社会では、組織はこれまでのような軍隊式ではなく、オーケストラやジャズコンボのような形態になるだろうと予測しているのを読んで、心が躍ったものだ。そんな会社を作りたいと思ったが、db4objectsにその可能性を見出し、一緒に仕事をするようになった。

ソフトウェアに携わる人には、実はこの発想は馴染み深いはずだ。いわゆるウォーターフォール型開発とアジャイル開発の違いのようなものだ。ゴールを時間をかけて明確に定義するウォーターフォール式に対し、そもそもゴールは明確に定義できないか定義できても間違っているというような前提のアジャイル式。但し、アジャイル式で進めていくには、先を見越す個々人の経験・能力がかなり要求される。

専門家からなるオーケストラ型はスケーラビリティがあり、コード進行ぐらいしか定義しないジャズコンボ型は柔軟性がある。

創業間もない頃は、ある程度の専門性を有しながら幅広い知識を持つメンバーを中心にしたジャズコンボ型でしのぎ、芽が出たところでオーケストラ型へ移行していく、そんなパスで成長するのが今日では理想なんじゃないだろうか。