Newsstand Publisher

db4o2011-12-18

昨日は「あとヨミ」について書いたのだけれども、実はこれと対をなすサービスも少し遅れて立ち上げる。名付けてNewsstand Publisher。

iPadiPhoneに今年登場したNewsstand。今日12月17日現在日本から見たAppStoreに並んでいるのは世界中のマガジン1034誌。

簡単に説明すると、Newsstandとは書店にあるマガジンラックのタブレット版のことで、例えば「週刊パーゴルフ」マガジンアプリを無料で手に入れると、毎週新しく発行された雑誌が85円で購入でき、iPhoneiPadで読めるようになるというもの。

一つ疑問になるのは、一体どれだけの出版社がこうしたNewsstandアプリを利用できるんだろうかということ。まず必要になるのは、Newsstand用にアプリを作ること、そしてそこにコンテンツを定期的に流すシステムだけれども、これをいくらで発注できるのだろうか。仮に非常に安く見積もって100万円だとしよう。85円で週刊誌を売ったとして(分かりやすく取り分も100%の85円とする)、システムの維持費が0円とした場合、11,765部売れたらシステムコストが回収できることになる。週刊誌を一年で48回だと単純に考え、毎回何部売れたらいいかというと、11,765 / 48 = 245部。

500万なら1,225部、1,000万かかったら2,450部ということになる。

紙の雑誌の売り上げ低下のリスクもある中で、デジタルマガジンに参入しようとは、ちょっと思えないのではないか。

逆に、もし、Newsstandにアプリを月1,000円の運営コストで配信できたとするとどうなるか?同じように週刊誌の場合、1,000円 / 85円 = 11.7、つまり月に12部売れたら利益が出る計算で、週にすると3部でいい計算になる。

こうなると、既存の出版社というよりも、ブロガーや個人が発行しようとならないだろうか。ブログにはいろんな分野によく書かれた記事が相当溜まっている。これをブロガー自身がチョイスしてコンピレーションとして発行するもよし、毎月のダイジェストにコメントや未公開作品/写真を添えて発行するもよし。

考え方によっては、ある活動をしている個人への応援として、募金や寄付のようなあいまいな決済方法ではなく、マガジンを購読するという明確な決済手段を提供できることにもなる。

私たちの強みであるウェブページをタブレットで読みやすい形式に変換する技術を生かしたNewsstand Publisher。乞うご期待。