はっぴーピープル
"Gross National Product measures everything, except that which makes life worthwhile." - Robert F. Kennedy
「GNP(国民総生産)が測れないものは何も無い。ただし、人生にとって意味のあるものを除いてだが。」 - ロバートケネディ(JFKの弟)
ギリシャのデフォルトの話で世界はぐらぐらしていますが、全く関係なく、先週末の群馬県のみなかみ町は笑顔に包まれていました。こうして帰ってきた今も、みなかみの笑顔で帯電しているようです。
ロバートが言った事が正しければ、これはGNPには換算されず、されてもごくわずかで、大した事のないイベントだったということなのでしょう。
The New Economics Foundationは、イギリスロンドンにある、GDP/GNPなどの経済成長でない指標を提案して活動している団体です。
昨日そのNEFのStewartさんのこんな記事をみかけました。
The Four Horsemen of Economics
A global economic path that’s unsustainable, unfair, unstable, unhappy―need not neglect well-being経済を牽引する4人の騎手
継続性がなく、不公平で、不安定で不幸せに向かう世界経済ーなぜ幸せを無視し続けるのか
Stewartさんは、アメリカで起きた住宅ローンから発生した金融危機、今回のユーロ危機、さらにはアフリカ東部で起きている悲惨な大飢饉まで、これらはすでに機能不全に陥った古い経済理論に基づいて世界経済が動いていることに根本的な問題があるとして、4つのおかしな力を挙げています。
1. Unsustainable
もし世界中の人がイギリス人と同じ生活レベルになるとしたら?
地球が4つ必要だそうです。アメリカ人なら5つ。
そうです。このままの生活を続けていたら地球はもたないんです。地球がもつように生活を変えるか、破滅に向かって突き進むか。
2. Unfair
20世紀初め、大富豪がまだまだ大勢いたあの時代でさえ、富裕層は約5〜7倍しか貧困層より裕福でなかったといいますが、現在ではそれが約75倍にまで拡大してしまっています。
そしてそれの何が良くないのかというと、社会犯罪の要因は貧困や仕事がないことではなく、この不公平だからと言っています。
3. Unstable
ここでは1906年にサンフランシスコで発生した火災のことを例に上げています。そこでは当時消火用の地下タンクが一カ所のタンクにつながっていて、そこから全タンクに水がいくような、非常に効率性の良い設計になっていたそうです。ところが地震でその中央のタンクが壊れてしまったために、全タンクが機能せず、大災害につながったそうです。
4. Unhappiness
発展途上国は言うに及ばず、先進国でも1/4が精神的なトラブルを抱えている現在、もう私たちは「はっぴーピープル」ではなくなっています。
Stewartさんは、こうした4つのおかしな力でなぜ世界経済が動いてしまっているのか、それは目標の間違いと、それに伴う達成度の計測の間違いだといいます。
イギリスの首相デイビットキャメロンの言葉、”economic growth was a means to an end, rather than an end in itself(経済成長は、それ自体が目的なのではなく、目的のための手段だった)”、はこうした変化に対応しようとする、非常に根本的な考え方の変化の現れだといいます。
それではどういう指標があるのか。Stewartさんは例えばこのような問いを投げかけています。
How much well-being can you achieve for each unit of natural resources?
これならすごかったですよ、先週末のみなかみ町は。ほとんどnatural resourceを使う事無く、食料や補給の水だけで、well-beingが町にあふれていましたから。
正しい目標を設定する事。そしてそのために妥当な数値を計測する事。それこそが今世界をおかしくしている何かを解決する道だと言います。
“Practical men, who believe themselves to be quite exempt from any intellectual influences, are usually the slaves of some defunct economist,” said John Maynard Keynes
おまけにNEFからもう一つ。