縦書きの力

さて、これは誰の作品でしょうか?



答えは、今日2011年12月21日のほぼ日の今日のダーリン(抜粋)でした。

何か高村光太郎の詩のように、すっと心に染みて来たのは私だけでしょうか。

英数字の表示とかおかしなところがまだありますが、「あとヨミ」を日本語にあえて特化させて、ウェブ上の日本語の記事を縦書きで読めるようにする。なんかそれだけでもすれ違ってきたメッセージみたいなものがもっとずっと効率的にみんなに行き渡るようになるかもしれない。

こちらは完全版

ちなみにこちらのURLでアクセスすると毎日みることが出来ます(iPhone/iPad推奨)
http://yomimono.jp/yomo/meta?q=http://www.1101.com/home.html
*分かる人はq以下を自由に指定して遊べます(必要に応じて要エンコード

例 10年という短期間で英語をマスターする方法(書評人より)
記事のURL: http://shohyoj.in/102
アクセスURL: http://yomimono.jp/yomo/meta?q=http://shohyoj.in/102

Newsstand Publisher

db4o2011-12-18

昨日は「あとヨミ」について書いたのだけれども、実はこれと対をなすサービスも少し遅れて立ち上げる。名付けてNewsstand Publisher。

iPadiPhoneに今年登場したNewsstand。今日12月17日現在日本から見たAppStoreに並んでいるのは世界中のマガジン1034誌。

簡単に説明すると、Newsstandとは書店にあるマガジンラックのタブレット版のことで、例えば「週刊パーゴルフ」マガジンアプリを無料で手に入れると、毎週新しく発行された雑誌が85円で購入でき、iPhoneiPadで読めるようになるというもの。

一つ疑問になるのは、一体どれだけの出版社がこうしたNewsstandアプリを利用できるんだろうかということ。まず必要になるのは、Newsstand用にアプリを作ること、そしてそこにコンテンツを定期的に流すシステムだけれども、これをいくらで発注できるのだろうか。仮に非常に安く見積もって100万円だとしよう。85円で週刊誌を売ったとして(分かりやすく取り分も100%の85円とする)、システムの維持費が0円とした場合、11,765部売れたらシステムコストが回収できることになる。週刊誌を一年で48回だと単純に考え、毎回何部売れたらいいかというと、11,765 / 48 = 245部。

500万なら1,225部、1,000万かかったら2,450部ということになる。

紙の雑誌の売り上げ低下のリスクもある中で、デジタルマガジンに参入しようとは、ちょっと思えないのではないか。

逆に、もし、Newsstandにアプリを月1,000円の運営コストで配信できたとするとどうなるか?同じように週刊誌の場合、1,000円 / 85円 = 11.7、つまり月に12部売れたら利益が出る計算で、週にすると3部でいい計算になる。

こうなると、既存の出版社というよりも、ブロガーや個人が発行しようとならないだろうか。ブログにはいろんな分野によく書かれた記事が相当溜まっている。これをブロガー自身がチョイスしてコンピレーションとして発行するもよし、毎月のダイジェストにコメントや未公開作品/写真を添えて発行するもよし。

考え方によっては、ある活動をしている個人への応援として、募金や寄付のようなあいまいな決済方法ではなく、マガジンを購読するという明確な決済手段を提供できることにもなる。

私たちの強みであるウェブページをタブレットで読みやすい形式に変換する技術を生かしたNewsstand Publisher。乞うご期待。

#あとヨミ(仮称)

そこで、来年一月から、こうした変人達を主にフィーチャーしながら、「後で読む」サービス「あとヨミ」を開始することにしました。「後で読む」サービスというのは、Read It LaterやInstapaperなどに代表される、そのままずばり、気になる記事を後で読めるようにしてくれるサービスです。

主に朝や仕事中の昼間の時間のない時にケータイで気になった記事をためておき、夜タブレットでそれらにゆっくり目を通すという感じで使います*。単にためるというブックマークのような機能と、ウェブページから本文だけを抜き出して読みやすくしてくれるという二つの機能を併せ持っています。
iPadが変えたリーディングのタイムシフトについてはRead It Laterのこちらを参照

私たちのサービスの特徴は以下の通りです。
1 日本語対応(主要ブログなどの対応強化)
2 紙芝居型リーディング*(順序立てられた記事を紙芝居風にして理解しやすくします)
3 コンテンツストリーム(後で読みたいコンテンツをユーザー自身が探せなくても、こちらからばしばし提供していきます)
4 インストールが難しいブックマークレットに代わるシンプルな方法
*紙芝居風リーディングのイメージ以下の通り

変人の真価

振り返ってみると、今年は私にとって大きな節目となる1年になった。何かが終わった年でもあり、同時に何かが始まろうとしている、そんな年だ。

終わった、という意味で一番大きかったのは何よりも父の死であり、それが否応無しに、私に次のステップへ進むよう、何か新しいことを始めるよう促した。停滞や減速はマイナスとなり、どこか暗い底の方へ私たち家族を引き込んでしまう。

ちょうど12年前、自分の力で人生を切り開きたいともがいたあの頃は、本当に何も無かった。そこでは役に立たないパイロットのライセンスだけだった。IFRも、コマーシャルも、マルチエンジンも、自動車の運転免許以下でしかなかった。

営業から始め、オープンソースを活用したデータベース構築を軸に株式会社化、さらなる技術を求めてシリコンバレーのスタートアップの日本支社を立ち上げた。

五大陸の人間が全員リモートで働き、半年に一度ぐらいの頻度で、世界のどこかに集まり、集中的にミーティングをした。一番素晴らしかったのは、英語とは何かということが分かったことだ。

英語は、世界中の人とコミュニケーションをさせてくれるツールなのだ。もしそこにアメリカやイギリスと言った文化を押し込んでしまった場合、そのピュアな性質は一気に薄れてしまう。それぞれが母国語のアクセントと母国語を元にした不思議な単語を使い回すのだが、それでもコミュニケーションを成立させてしまう、それが英語だったのだ。

そこでは細かい文法の違いは指摘されないし、仮に合っていたとしても、要するに問題は内容であり、全く異なる文化や生活をしている人たちを感動させたり納得させたり、導いたりできるかどうかなのだ。大げさでなく、どう生きるか、ということなのだ。

つまりここで言う英語というのは、日本語をないがしろにして、とかそういう議論とそもそも相容れるものではない。日本語だろうが何だろうが、何を考え何を語るか(または語らないか)が重要なのであり、形式としての日本語自体に意味はない。

むしろこうしたグローバルランゲージとしての英語を使える人は、日本語で考える、ということの重要性をよく分かっている。英語でしゃべったり考えるということと、日本語で考えることは違う。英語で考えつかないことや視点に、日本語で考えると出会えたり、その逆もしかりなのだ。

書評人

このサイトは、先日パロアルトで会ったhkmurakami君に教えてもらったサイトだ。面白かった本の書評をするだけのサイトなのだが、無味乾燥な要約的書評ではなく、ここに集まる変人(失礼)が切り開いた、または切り開こうとしている人生の中で出会った本を紹介している。

レビュアーのみなさんのプロフィールを見ていると、2000年頃のドットコムバブルの時に水面下で増殖したオープンソースプロジェクトのように、日本人でない日本人が世間とは関係無しにどんどん増殖しているようで嬉しくなる。

だからこそ、来年は変人の真価が問われる大事な一年になる。こうした試みがやはり一握りの変人として扱われて終わってしまうのか、それともより多くの人に変人として生きるチャンスを与え、サラリーマンや公務員だけが人生ではない、ということを証明することができるのか。

アップル最高

技術と表現には面白い関係があると思っています。技術なしに表現の幅は広がらないし、表現なしに技術の幅は広がらないという意味です。

例えばマイルスデイビスは明らかに新しい楽器をどんどん取り入れて開拓していった人ですが、新しい楽器には必ず新しい技術が必要とされ、新しい表現が可能になります。確かキースジャレットがピアノを弾かせてもらえなくて、大嫌いなオルガンを強制的に弾かされたという話がありましたが、あの頃のキースジャレットはやけくそで、いっちゃってて大好きだという人は多いですよね。

昨日、身近なところでもそういう変化がありました。遂にiPhoneFlipboard登場です。知っている人には説明する必要ないぐらい有名なものですが、どういうものかというと、TwitterFacebookソーシャルネットワークで流れて来るコメントやニュースを、最高の形でiPadで読めるようにしてくれたアプリです。

iPhone版はこんな感じで、

親指で下から上にフリップしてめくっている様子がこんな感じです。

ただフリップできるだけだけど、何がすごいってそういうデザインがすごいんです。今ではスマートフォント言えば、というと代名詞のようになっている「フリップ(軽くスクリーンをなでる動作)」や「ピンチ(親指と人差し指で広げたり縮めたりする動作)」ですが、これを創りだしたのがアップルで、つまりそういう操作自体にものすごい価値があるんですね。だからアプリがそういうハードウェアの価値を最大限引き出してくれる=”アップル最高!”ということになります。

だからひょっとしたらFlipboardでニュースは読んでないかもしれない。でももともと見ることさえしなくてってませんでした?それを少なくとも見るようにはしたというだけでもものすごいことですよね。

ちなみにiPhoneだと3G回線上で、アメリカなど海外では使い放題ではないエリアも多いので、データのローディングにもすごい技術が見て取れます。例えば低解像度の画像をある程度まとめてロードして、高速でフリップする場合はそのままそれらを表示し、フリップを止めると高解像度のデータがすぐに流れてきます。これらが違和感なく実現されていることの下に積み重ねられた技術に脱帽ですが、何よりも表現したいものが膨らんだり、よりはっきりすることでどんどん必要な技術が見えてきて、実現されていくわけです。

トランぺッターの類家さんはものすごいユニークな音を出しますが、だからあんなにクリエイティブで表現の幅が広がるし、表現が広がるからもっといい音が出せるようになるんでしょうね。

芸術と科学は、思いっきり離れているようで、本当は大昔から大の仲良し。スティーブジョブスが言い続けているTechnologyとArtの交差点。もっともっと行ったり来たりしなくちゃ。

「津波」と言えば

db4o2011-12-01

Savy

  1. Kesennuma,_Miyagi(宮城県気仙沼市
  2. Minami-Kesennuma_Station(南気仙沼駅)
  3. From_Up_on_Poppy_Hill(コクリコ坂から
  4. Minamisanriku,_Miyagi(宮城県南三陸町
  5. Sendai仙台市

だと答えるようになった現在開発中のトピック認識エンジンSavy(あえてvなし)。Googleと比較するとこんな感じです。

Google ”tsunami site:en.wikipedia.org” (英語のwikipediaに限定)

  1. Tsunami
  2. 2004 Indian Ocean earthquake and tsunami
  3. 2011 Tōhoku earthquake and tsunami
  4. File:Lisbon 1755 tsunami travel times.jpg
  5. Tsunami (band)

この差はどこから来るかというと、ほとんど変化のないページランクに基づくGoogleアルゴリズムに対し、Savyは最近のニュースで話されていることを理解しているからなんです。

科学なんかも面白くて、Gravity(重力)はこんな感じです。

Savy

  1. Gravitational_wave
  2. LIGO
  3. Laser_Interferometer_Space_Antenna
  4. Physical_cosmology
  5. Dark_energy

Google ”gravity site:en.wikipedia.org”

  1. Gravitation
  2. Gravity of Earth
  3. Gravity (alcoholic beverage)
  4. Quantum gravity
  5. Gravity (comics)

Savyはしっかり最近のDark matter関連ニュースを反映しています。

こんな感じで、知りたいと思った時に旬な話題と関連ニュースをぱっと見れる、Savyはそんなツールになりそうです。